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Posted by のらんば長崎運営事務局 at

2011年10月26日

シカのへぇ~話

10月16日「秋の森を冒険しよう」を開催しました。
活動報告はコチラ(http://ng-n.jp/2153.html



テーマは「野生動物との共生」
シカの痕跡を見つけながら歩き、シカの暮らしぶりを知る
そこから、森の生きものとの付き合い方を考えるというプログラムを考えました。

そこで、知ったシカのへぇ~話

知らなかったことが、たくさん知れてとっても得した気分になりました。
ちょっと、物知りになったのでブログに書いてみました。

今、大問題になっている。シカの食害(しょくがい)について
-以前は、八郎岳周辺に1000頭程だったのが、現在は4000頭!!住んでいるところも唐八景から三和地区にまで広がっている。増えすぎて食べ物が足りなくて、畑の野菜を食べたり、木の皮を食べて木を枯らしてしまったり困ったことが起きているんだ。長崎県だけでも年間1200万円以上の農業被害が出ている。植林している木などの林業被害を加えると被害額はもっと増えるはず・・・。大問題だ!!



シカはどうやって草だけで生きていけるの?消化のしくみについて。

-シカには4つの胃袋がある。
微生物の力を借りて、森にある草や木の実だけでも色々な栄養をとれるように進化してきたんだ。

シカは食べものに困ってるみたい。じゃあ人間の食べ物を分けてあげたらいいかな?
それって本当に親切なのかな?シカが人間の食べ物を食べるとどうなるの?

-シカは、森の草や木の実を消化するのはとっても得意。でも人間の食べ物には慣れてないんだ。
 だから、人間の食べ物を食べるとお腹をこわしたり、時には死んでしまう時だってある。
-人間が捨てていった、ゴミやビニールだって危険だ。
シカと人間がとっても近い奈良では、ゴミでシカが死んだ例が報告されている
人間からもらった食べ物と同じ匂いがするビニールを、食べ物と間違って食べてしまい、
そのせいで胃がビニールでいっぱいになって、食べ物が入らなくて餓死してしまうシカもいるんだって。

夏のシカに白い点々があるのはなぜ?

-今度木の下に行ったときに、地面をよ~く見てみて「光の点々」が出来ているのわかるかな?
 夏の強い日差しでは、光の点々が「白く濃く」ついている。これをまねして木の下で目立たないように工夫しているんだ。

シカの角をさわってみよう。

-市民の森で拾ったシカの角だよ、さわってごらん。固くて先が尖っているのがわかるかな?
角の先を木の幹にこすりつけて尖らせるんだ。なぜこんなことをするのか?そう、戦うためだ。
秋は繁殖期、時おり山の方からオスがメスを呼ぶ甲高い鳴き声が聞こえてくる。
強いオスだけがメスと子どもを作ることが出来る。オスはメスをGETするために必死なんだ。

人間が食べ物を与えてしまったら起こる悲劇は他にもある。

 人間の食べ物=自分達の食べれるものと、覚えてしまったらどうなるだろうか?
 森に食べるものがなくて困ったシカは、食べ物の匂いに誘われて人里に降りてくるだろう。
自分たちがせっかく作った野菜を食べられた人は悲しいよね。
シカは悪い生きものだと決めつけられてしまうかもしれない・・・(泣)そうしたらどうなるかな?

――――――――――

少しずつシカのことがわかってくると、いろんな疑問が浮かんできます。
子ども達は、目を輝かせながら、次々と質問をしてくれました。中には大人が、ハッとするような鋭い質問もありました。

「オスはずっと同じメスといるの?」
 →「人間のように親子でずっと過ごすのではなく、鹿には鹿の社会があるんだよ。図書館で調べてごらん」

「ここには、シカしかいないの?他にすんでる生きものはいないの?」
 →「もちろん、たくさんいるよ。たくさんの生きものや、植物があるからシカは生きていけるんだ」

――――――――――

そして
「何故、シカが人間の近くまで来てしまったのか?」
「畑や木をメチャメチャにしてしまうのは、シカだけが悪いの?」

と、子ども達に問いかけました。

人間の身勝手な行動が、シカを山から人里に呼び寄せてしまい、人間から悪い生きものだと思われてしまうかもしれない。自然が長い時間をかけて作ってきたバランスを、人間の都合で壊してはいけないよね。

残念ながらここは、人間が捨てたゴミがいっぱい落ちてる。
シカや森にすむ生きもののために、森をきれいにするのを手伝ってくれないかな?
子ども達は大きくうなずいて、大人と一緒に一生懸命にゴミを集めてくれました。

自然とともに生きる、自分で考えて自ら行動できる、心優しい子ども達でした。
  


Posted by 自然案内人「まいまい」ネイチャーゲーム使い at 15:23Comments(0)